2018年4月27日金曜日

インド調査:2018年3月3日〜3月29日

2017年9・10月に引き続き、ケーララ州およびマハーラーシュトラ州で巨石文化期の墳墓群の分布調査を実施しました。

ケーララ州ではパラヤンヌール地域の墳墓群の悉皆的分布調査を行いました。この地域は低い丘陵が連なる地域で、そうした丘陵の頂部に数多くの墳墓が残されています。環状列石墓、地上式石槨墓、甕棺墓など多様な墳墓が知られていますが、これらがどのような関係にあるのかよくわかっていません。時間的な差異を示すのか、あるいは異なる墳墓形式を採用する集団の存在を示すのか。発掘調査がその差異を明らかにする上で重要な手段であることはいうまでもありませんが、まずはそうしたさまざまな形式の墳墓がどのように分布しているのか把握することが不可欠です。今回の調査では、さまざまな形式の墳墓が一つの丘陵に混在している状況を確認し、分布パターンの把握を進めました。

マハーラーシュトラ州ではこれまでに引き続き同州東部のナーグプル市周辺の墳墓遺跡の測量調査を行いました。高精度GNSSによる分布調査とUAVを用いた測量調査を組み合わせながら、墳墓遺跡の悉皆的記録を進めています。これまでに5遺跡の記録が終了しており、今後分析を進めていく予定です。

マハーラーシュトラ州チャンパー墳墓遺跡

このほか、グジャラート州のヴァドーダラーにあるマハーラージャ・サヤジーラーオ大学考古学科において、同学科が所蔵するマチャード・パラヤンヌール墳墓群出土資料の記録化を行いました。ケーララ州で分布調査を行った地域にある墳墓で、1970年代に同大学が発掘調査を行っており、その際に出土した土器資料です。これによってケーララ州域の巨石文化期の土器

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