2016年4月5日火曜日

南インド巨石文化遺跡分布図


南インド巨石文化の分布図をあげておきます。この分布図は下記のデータソースからGISソフト上に遺跡の位置を読み込んだもので、約2000ヶ所の遺跡が知られています。近年発見されたものも加えると、2500ヶ所以上になると予想されます。

これらの遺跡の大半は古墳群で、数基から千基にも及ぶ古墳が群集して遺跡を構成しています。中にはすでに破壊されてしまったものもあり、また現在進行形で破壊が進むものもあります。さらに各古墳群の構成の詳細がわかる例は限られており、記録化が急務となっています。

本プロジェクトでは可能な限りこれらの遺跡の記録化を実施したいと考えています。

<データソース>
深尾淳一 1994 「巨石文化の地域的展開」『ドラヴィダの世界 インド入門Ⅱ』東京大学出版会、128~140頁.

2016年4月4日月曜日

第1次科研調査

2月23日〜3月30日に上杉がインドに渡航し、第1次現地調査を実施しました。

今回は、テーランガーナー州、アーンドラ・プラデーシュ州およびマハーラーシュトラ州における南インド巨石文化期の古墳群の分布調査を実施しました。テーランガーナー州ではムドゥマーラー遺跡、カンドゥール遺跡、アーンドラ・プラデーシュ州ではカディリラヤチェヴル遺跡、マハーラーシュトラ州ではラーイプル・ヒングナー遺跡およびムルティー遺跡を調査の対象としました。

テーランガーナー州カンドゥール遺跡
テーランガーナー州ムドゥマーラー遺跡
アーンドラ・プラデーシュ州カディリラヤチェヴル遺跡

マハーラーシュトラ州ムルティー遺跡

記録されることなく破壊が進む古墳群の現状を記録することは喫緊の課題であり、将来の研究の基礎を築くものです。今回は高精度GNSSを用いて各遺跡における古墳の分布と大きさを記録するといった予備的なものでしたが、今回の調査で得られた成果をもとに、今後より精度の高い記録化を進めていきたいと考えています。

また、ハイデラーバード大学歴史学科およびマハーラーシュトラ州政府考古局ナーグプル支局の協力を得て、それぞれの機関がこれまでの調査で得た土器・石器資料の記録化も併行して実施しました。