2018年4月27日金曜日

ケンブリッジ大学考古学・人類学博物館での資料調査:2017年7月19日〜8月5日

2017年7月19日〜8月5日にイギリスにあるケンブリッジ大学考古学・人類学博物館において、資料調査を行いました。2016年11月の調査に引き続き、同博物館が所蔵する南インドおよび北西インドの遺跡から出土した石製装身具の記録作成が目的です。



この博物館には1920〜1950年代にインドからもたらされた考古資料が多数収蔵されていますが、その中に南インド巨石文化に属する墳墓から出土した石製装身具や北西インド(現パキスタン)にあるタクシラー遺跡から出土した石製装身具が含まれています。これらの石製装身具は1930年代を中心にH.C.ベックという装身具研究者の大家が研究成果を公表しており、学史的も大変重要な資料ですが、ここ最近は特に研究材料として取り上げられることもないのが現状です。

こうした資料を記録化し分析の対象とすることは、前1千年紀に北インドから南インドまで広く流通することになった石製装身具の歴史的意義を明らかにする上できわめて重要な作業ということができます。

計測・写真撮影による形態的分析と孔にシリコンを流し込んで作成した孔表面形状の顕微鏡観察による技術的分析を組み合わせて、南アジア各地・各時代の石製装身具の比較研究を進める予定にしています。それによって南インド巨石文化期に広く流通する石製装身具の意義に迫りたいと考えています。

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